「名古屋圏の鉄道は運賃が高い」は本当?
よく名古屋の人が東京に行くとこんなことを言います.
「東京って鉄道運賃安いね」
逆に,東京・大阪から来た人が名古屋に来るとこんなことを言います.
「名古屋って鉄道運賃高いね」
果たして本当なんでしょうか?
JR同士で比較してみる
最初は各エリアのJR同士で比較してみましょう.
首都圏
まず首都圏.東京から大宮は在来線で行くとします.運賃は 550円 で,距離は 30.3km .
関西圏
次に関西圏.東京から大宮とほぼ同じ距離なのは大阪から三ノ宮.在来線を使った場合の運賃は 410円で,距離は 30.6kmです.
名古屋圏
では名古屋圏ではどうでしょう.東京から大宮とほぼ同じ距離なのは 名古屋から岐阜.在来線を使った場合の運賃は 470円 で,距離は 30.3km です.
なんと 首都圏エリアのJRより安い です.
特定区間運賃
これだけだと首都圏が割高に思えますが,実は 大阪から三ノ宮間と名古屋から岐阜間はJR側が通常よりも割安に設定した運賃 なのです.
この2つの区間は 特定区間 という区間に指定されています.本来,JRの運賃は 列車が進んだ距離 で設定されていますが,特定区間運賃はJR側が「30kmぐらい進んでいるから本来は550円だけど, 特別に正規運賃より割安にして470円にしますよ 」というものです.この特定区間は私鉄と並走している路線に対抗するために設定されることが多いです.
では正規運賃だといくらになるのか.下記の表にまとめています.
区間 | 正規運賃 |
---|---|
東京から大宮 | 550円 |
大阪から三ノ宮 | 550円 |
名古屋から岐阜 | 580円 |
名古屋圏のほうが首都圏・関西圏より 30円高い という結果になりました.首都圏と関西圏は大きな都市圏なのでJR側がちょっと安くしているのも影響しています(上記の特定区間運賃とは違います).この30円を高く見るか,安く見るかは見ている人次第ですが,個人的にはそこまで差はないのかなと思います.
私鉄同士で比較してみる
名古屋の私鉄と言ったら名鉄.その名鉄は他の地域に比べて高いのか?普通ぐらいか?安いか?首都圏の京急と関西圏の阪急で比較します.
首都圏 京急
首都圏では京急本線の品川から金沢文庫間の運賃を出してみます.品川から金沢文庫の運賃は 483円(IC) で,距離は 39.5km です.
関西圏 阪急
関西圏では阪急京都線の十三から桂間の運賃を出してみます.十三から桂の運賃は 370円 で,距離は 38.0km です.
安すぎません?阪急さん
名古屋圏 名鉄
名古屋の私鉄といえば名鉄.その名鉄の運賃はどんな感じなのでしょうか.名鉄名古屋本線の名鉄名古屋から東岡崎間の運賃を出してみます.
名鉄名古屋から東岡崎の運賃は 660円 で,距離は 38.2km です.
でら高い!!! 何この高さ.阪急の1.78倍あります.阪急が安すぎるっていうのもあるかもしれませんが,京急と比較しても高いです.
まとめ
JRで見るとそうでもなさそうですが,私鉄で見ると,確かに 名古屋圏の鉄道運賃は高い です.
今回はJRと私鉄だけで比較しましたが,地下鉄で比較するとどうなのでしょうか.また時間があればアップします.